私も実はツイッターやっているのですが、そこでお医者さんが以下のようなツイートをしていました
「風邪患者の2割が新型コロナウイルスだと思う。PCR検査の感度が7割、特異度が9割だった場合、陽性的中率は8割になる。」
・・・・
・・・・
( ^ω^)・・・
ちがうよ?
やっぱり、なかなか理解しづらいものなんですかね~
ちなみに私は以前
感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率を数式を使わずに理解する
という記事を投稿していますので興味があるかたは御覧ください。
それぞれを簡単に説明すると、病気の検査の場合
感度=病気の人が正しく検査で陽性となる確率
特異度=健康な人が正しく検査で陰性となる確率
陽性的中率=検査陽性の人のうち、本当に病気の人の確立
陰性的中率=検査陰性のうち、本当に健康な確率
ことばで理解できない人はぜひ
こちら
の記事を読んでください。図をみて理解できるように書いてあります。
さてでは
「風邪患者の2割が新型コロナウイルスだと思う。PCR検査の感度が7割、特異度が9割だった場合」
の時の陽性的中率を計算してみましょうか。
計算式もあるんですけど、暗記するのも面倒な人は
時間をかけて一緒に解いてみましょう!
ここで
a = 新型コロナウイルスの人で検査が陽性の人数
b = 新型コロナウイルスの人で検査が陰性の人数
c = 風邪で検査が陽性の人数
d = 風邪で検査が陰性の人数
とします。
上の記事を読んだ人なら
感度=a/a+b
特異度=d/c+d
陽性的中率=a/a+c
陰性的中率=d/b+d
となることが理解できるはずです。
また風邪患者の2割が新型コロナウイルスということは
新型コロナウイルスの患者数(a+b)より風邪の患者数(c+d)のほうが4倍多いということになります
つまり
(a+b)×4=c+d .......①
となります。
次に感度が7割なので
a/a+b =0 .7 .......②
特異度が9割なので
d/c+d = 0.9. ......③
となります
③より
1-d/c+d=1-0.9
↓
c/c+d=0.1
①より
c/(a+b)×4=0.1
↓
c/(a+b)=0.4
②より
0.7c/a=0.4
↓
7c/a=4
↓
c=4/7a .......④
④を陽性的中率に代入
a/(a+4/7a)=a/(11/7a)=7/11=0.6363...=約64%
はい、公式を覚えていなくても理解できていれば、高校生レベルの計算で陽性的中率が64%だということが導けました。
この方法だったら、各値が23%とか半端な値でも導くことができます
でも10%ずつの簡単な値だったらもっと簡単な方法で導けます
今回の場合
新型コロナウイルスの人が10人いるとします
となると有病率から風邪の人は40人ですね
さらに感度が7割だから上の式でいうa=7になります
特異度が9割なのでd=36,c=4になります
はいこれで
陽性的中率=a/a+c = 7/7+4= 0.6363....
はい超簡単でしたね!!!
高校数学あるあるの、具体的な数字を入れたら簡単に解けるです!
これで明日から医学生のみなさんはいつでも陽性的中率を求められますね?!
参考になれば幸いです!!
マジレスすると感度・特異度・的中率の概念を理解してないとインフルエンザの診断も血液検査結果からの診断もまともに出来ないはずなので、医学生・獣医学生は超重要な分野で決して間違ってはいけないです。。。。
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